デット・ファイナンスとは、金融機関や投資家からお金を借りる資金調達方法です。

「株式」を発行するエクイティファイナンスとは異なり、株主が増加しないという特徴があります。

日本では、経営者よりも株主の方が強い立場になるケースがほとんどなので、株主が増加すると経営方針に大きな影響が及ぶことがあります。しかし、デット・ファイナンスであれば株主が増加しないので、これまでと同じような経営を続けることが可能です。

また、税金の影響を受けずに資金調達できるというメリットもあります。
貸借対照表における資本金が増えると税金に影響が出る可能性がありますが、この資金調達法であれば資本金は増えないので税金の影響を気にする必要はありません。加えて、利息に関しても損金として扱うことが可能です。

一方で、この資金調達法は返済義務が生じるというデメリットがあります。仮に、返済が滞った場合は企業の信用度が著しく低下する恐れがあるとともに、信用情報機関のブラックリストに登録されてしまうと、その後は何処からも融資が受けられなくなる可能性があります。

また、問題なく返済していたとしても、この方法で資金を調達し続けていると自己資本比率が低下していくため、将来融資が受けにくくなる可能性が高くなることを念頭に置いておきましょう。

エクイティ・ファイナンスとは?

エクイティ・ファイナンスとは、新株を発行することで資金を調達する方法のことを指します。

「借金・負債」での資金調達ではないので、返済義務が発生しません。

返済する必要がないので利息を支払う必要もなく、必要な資金をしっかりと確保できるというメリットがあります。加えて、自己資本比率の低下や融資が受けにくくなるといったデットファイナンスのデメリットを心配することなく資金を調達することが可能です。

一方で、新たな株式を発行するエクイティ・ファイナンスで資金を調達すると、株主が増えるので経営方針に影響が及ぶ可能性があります。

また、株式の発行数が増えることにより一株あたりの価値が低下するので、既存株主へ十分な説明を行って理解を得ておかなければなりません。加えて、手続きが複雑な資金調達法なので、早急に資金を確保しなければいけないケースには不向きというデメリットもあります。

さらに、この方法で資金調達すると貸借対照表における資本金が増加するので、税金対策をしなければいけません。ただし、自己資本率が向上することで、他社や銀行などからの評価が高まるとともに、その後の融資に好影響をもたらす可能性があるという側面もあります。